当ブログにようこそ。
渋谷で弁護士をしている上野訓弘です。
今回は、このシリーズのまとめです。
■前回までの記事はこちら
・浮気した者からの離婚請求は絶対に認められないのか①
・浮気した者からの離婚請求は絶対に認められないのか②
・浮気した者からの離婚請求は絶対に認められないのか③
・浮気した者からの離婚請求は絶対に認められないのか④
・浮気した者からの離婚請求は絶対に認められないのか⑤
浮気した者からの離婚請求が認められるための以下の3つの条件がみたされていれば、最高裁判所は離婚が認められるとしています
最高裁判所が、離婚が認められるための条件としてあげるのは、以下の3つです。
①夫婦の別居が相当の長期間に及んでいる
②その間に未成熟の子(未成熟の子とは、親から独立して生計を営むことが出来ない子供のことです。)が存在しない
③離婚により、これまでの結婚相手が、精神的、社会的、経済的に過酷な状況におかれない場合であること
でも、3つの条件が満たされていなくても、離婚が認められることがあります
総合的に考えて離婚を認めることが不当ではない状況といえれば、3つの条件をすべて満たしていなくとも、離婚が認められます
たとえば、
②未成熟の子供がいても、離婚に際して子供の養育費を十分に手当てしている、さらにその子供が精神面でも離婚の衝撃や、離婚による環境変化に耐えられる等から離婚を認めても不当ではないといえる場合には、離婚が認められ得ます。
ただし、
③離婚により、これまでの結婚相手が経済的に過酷な状況におかれる場合には、離婚は認められません。
実現可能性の高い財産分与等の誠意ある対応で、離婚しても経済的にこれまでとほとんど代わらないような生活が出来るようにしておくことが必要です。
①別居期間が何年くらいなら「相当の期間」となるのかは、一概には言えません
裁判例の動向をみると、一応、10年程度別居していれば離婚は認められるようです。
とはいえ「相当の期間」と評価できるかどうかは、これまでの同居期間との比較でも判断されます。
その上、別居の態様等も判断されますし、そもそも、別居期間の長さ、態様等は、あくまで離婚を認めても不当ではないかどうかの判断の一要素ですから、何年くらいの別居なら「相当の期間」になるのかは、一概にはいえないのです。
もっとも、結婚相手が許してくれたので一度はやり直しが出来たけれども、後日改めて離婚することになってしまった場合には、かって浮気をした者からの離婚請求であっても、通常の離婚と同様の基準で判断されます。
ただし、上記のように通常の離婚と同様の基準で判断されるためには、以下の3つの点に気をつけてください。
一度は、夫婦関係が復活することが必要です。
もっとも、復活の期間は「4~5か月」でもよいです。
許された後は、浮気をしていないことも必要です(改めて浮気をしていた場合は、やはり3つの条件が検討されます)。
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